院長コラム リンガルとともに33年

進化を遂げる舌側矯正システム|1990年代編
 90年代は舌側矯正(裏側矯正)のクリニックも日本には当院のほかにはほとんどなく、世界でもそう多くはなかったはずです。世界でも舌側矯正(裏側矯正)を専門に治療しているドクターは私のほかにはゴーマン、カーツ、スミス、フィリオンくらいでした。カーツ、ゴーマンはよく日本に来て講習会を開いていました。
 日本に最初にやってきたのはスミスで86、7年頃でしたが、私もリンガルの症例数が増えてきた頃で、すでにスミスと同じくらいあったと思います。スミスにいくつか症例を見せたところ、こんな難しいケースがあるのかと驚かれたという記憶があります。日本人はあごが小さいので歯並びが悪い症例が多く、アメリカ人にはそんなひどい症例は少ないのです。私は抜歯の症例を多く手がけていたので、抜歯症例のシステムでは独自のシステムを構築していました。
 現在では裏側矯正は特別な治療ではなくなっていますが、それだけ舌側矯正(裏側矯正)のできるドクターが増えてきて治療が身近になったからにほかなりません。確かに当院からもドクターが何人も独立し、講習会の参加者も国内だけで2千人以上にのぼっていると思います。昔に比べれば、裏側からの治療そのものが格段にやさしくなっていて、講習会ではそうした新しい治療法もすべて情報提供しています。競争相手をつくりすぎたのではとよくいわれますが、当院がもっと先に進めばよいだけのことなので、多くのドクターが育ち、患者さんがより良い治療を受けられれば、それに勝ることはないと思っています。  

 
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