院長コラム リンガルとともに33年
1990年代編|舌側矯正(裏側矯正)の発展期
舌側矯正(裏側矯正)は日本が誇るべき技術革新
 歯科矯正というとすべて欧米からもたらされたものと思いがちですが、舌側矯正(裏側矯正)に関してはその発祥は日本にあります。1970年代に世界で初めて藤田欣也先生によって裏側専用の装置が開発されました。このことは意外に知らない人が多いと思いますが、日本が世界に誇る業績の一つだと思います。
 当時、藤田先生のほかにはアメリカのDr.カーツ、オーストラリアのDr.ぺイジが裏側からの装置を研究していて、Dr.ぺイジはベッグ法を舌側矯正(裏側矯正)に応用した装置を開発しています。ベッグ法とは丸ワイヤーによる弱い力によって歯を移動させる治療法で、エッジワイズ法が主流になる以前はよく使われていました。
 70年代後半にはそれぞれの装置が実用化されて世界に発信されていくことになります。しかし、80年代になると治療技術の難しさや手間がかかること、治療期間の長期化などの理由によってアメリカでは衰退していきました。アジアやヨーロッパなどでは受け入れられていきますが、治療できるドクターが限られることから世界的な流行とはなりませんでした。
 こうして一時は下火になった舌側矯正(裏側矯正)ですが、その後も装置の改良は続けられていきます。
 私は90年代前半は主にカーツの装置を中心に、ほかの装置もいろいろ試しながら治療をしていました。ただ、どの装置も裏側からの治療ができるということでは画期的だったのですが、患者側への配慮をするまでには至っていませんでした。装置の大きさも今では考えられないほど大きかったため歯肉が腫れたり、矯正力が強すぎるなどの裏側の装置特有の難点を克服できないでいたのです。
 ですから、裏側から治療をすればするほど装置の難点が意識され、ついには自分で新しい装置を開発しようと思うようになりました。

 
 
 
 
 
 
 
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