前歯が大きい

前歯は口元から見える最も前面に位置する歯であり、大きく目立ってしまうこともめずらしくありません。
実際前歯のサイズが平均よりも大きいこともありますが、見え方によっても前歯が大きく見えてしまう場合もあります。

人間の歯は乳歯で20本、永久歯では28本、親知らずを含めると32本となります。
前歯の正式名称は中切歯（ちゅうせっし）といいます。
中切歯の隣が側切歯（そくせっし）、次いで犬歯（けんし）と並んでいき、これらが口元から見える代表的な歯です。
またこれら3本の歯を前歯部と呼びます。

前歯部の中で最も横幅が大きい歯が中切歯となり、前歯の横幅の平均値は性別によって異なり、男性で8.6mm、女性では8.5mmです。
総合的に見ても9mm近くまで横幅が大きくなると、「前歯が大きい」と言えるでしょう。

また一方で、歯並びの関係で2本の前歯が一歩前に位置するように生えていることが理由となり、見え方によって前歯が「相対的に大きくみえてしまう」ケースも見受けられます。

「相対的に前歯が大きく見えてしまう」のか、「絶対的に前歯が大きい」のかで、考えられる治療法も異なっていきます。

前歯が大きいと周囲の歯との大きさに差が生じてしまいバランスが崩れることで、審美性が欠けてしまいます。

口元のイメージは人の第一印象を決めるともいわれています。
近年は口元の美しさを追求したいと考える方も増え、歯の色を白くすることや、歯並びを整えることが身だしなみの一環となりつつあり、前歯の大きさを整えたいと考える方も少なくありません。

前歯が大きいことにコンプレックスを感じている方も少なくありません。
特に美容意識が強い方や人前に立つお仕事をなさっている方は、他人からどう見られるのか、印象は悪くないか気になってしまい、精神的負担も大きいものになります。

また自分では精神的に影響は及ぼされていないと認識していても、ふとしたことがきっかけで、心のバランスを崩してしまう場合もあります。
心身ともに健康であることが、歯の健康にもつながっていきます。
精神的負担を取り除くためにも改善を試みましょう。

前歯が大きいことは、歯並びや咬み合わせのズレを引き起こす場合もあります。
例えば叢生の場合、前歯が絶対的に大きいことで全ての歯がキレイに並んで生えるスペースを確保できないため、歯並びが乱れてしまいます。

咬み合わせがズレていると、一部の歯に過度な力が加わってしまったり、顎関節にも負担がかかってしまったりする場合もあります。

前歯が大きい場合、歯並びがガタガタとしていたり、出っ歯であったりすることも少なくありません。
歯がガタガタと重なり合うように生えている場合は歯磨きがしにくく、磨き残しが目立つようになってしまいます。
その結果、むし歯リスクや歯周病リスクが高まってしまうのです。
むし歯や歯周病は進行していくと最終的に抜歯となってしまうこともあります。
私たち人間にとって歯は生きていくために必要なものであり、抜けてしまった歯は二度と生えてきません。
ご自身の健康を守っていくためにも、むし歯や歯周病リスクを高めてしまう原因を改善しましょう。