顎のズレ・顎偏位に
お悩みの方へ
顎のバランスが悪いのではないかと、お悩みではありませんか?
そのお悩み「顎偏位(がくへんい)」が原因かもしれません。
顎偏位とは顎の位置が正常よりもズレている状態を指し、見た目的にも機能的にも見過ごせない状態となります。
そこでこちらのページでは顎偏位の原因や症状、予防法などについてご紹介いたします。
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目次
こんなお悩みありませんか?
- 顎が横にズレている
- 咬み合わせにズレを感じる
- 上下の歯を咬み合わせると痛む
- 口を開け閉めした時にカクカク音がする
顎偏位(がくへんい)とは
顎偏位とは顎の位置が正常値よりもミクロン単位~数ミリ単位ほどズレた状態を指します。
数ミクロン、数ミリ単位の僅かなズレではありますが、その僅かなズレがさまざまな症状を誘発する原因となることもあります。
顎偏位は1990年代ごろより「顎のズレ」による見解をまとめた著書のなかで誕生した言葉で、さまざまな症状が現れるため「顎偏位症候群」とも呼ばれるようになりました。
一般的には聞き慣れない言葉となるため「顎変形症(がくへんけいしょう」や「顎関節症(がくかんせつしょう」などと混同して認識してしまう場合もありますが、これらの疾患とは異なる状態です。
顎偏位の場合、「顎がカクカクする」「お口が開けづらい」など顎関節症の症状も現れやすく、幼少期の頃より顎偏位であった場合は顎変形症になりやすいと考えられています。
顎偏位(がくへんい)の原因
顎偏位となってしまう原因はさまざまな要素が深く関わっています。
まずは顎偏位となってしまう原因を把握していきましょう。
私たち人間は歯で食べ物を咬んで栄養を摂取しています。
咬む行為は、「歯」「顎の骨」「顎関節」「筋肉」の4つの組織で成り立ち、その他にも「飲む」「しゃべる」などといった行為もまた下顎の動きを軸に行われています。
顎の骨である上顎骨と下顎骨は、左右耳の上部に位置する側頭部を介してつながり、顎関節を軸にして下顎を動かしています。
下顎は左右前後に動かすことができますが、この下顎の動きをスムーズに行うためには顎関節の動きに遊びが必要になります。
さらには下顎は、「顎位」を保ちながら複数の筋肉によって下顎は動かされています。
このようにさまざまな組織によって「顎」の機能が正常に保たれ、以下の3つの要素によって「顎位」が定まっていくといわれています。
1)咬合位(こうごうい)
上下の歯が咬み合っているときの顎位
2)顆頭位(かとうい)
顎関節が安定している時の顎位
3)筋肉位(きんにくい)
下顎を動かす複数の筋肉が緊張なくリラックスしている時の顎位
顎位はこのようにしてバランスを保っていますが、「顎の大きさの違い」や「左右のズレ」「顎関節の形状の違い」「歯の咬み合わせのズレ」などが生じてしまうと、「咬合位」「顆頭位」「筋肉位」のバランスが崩れ、顎偏位になってしまうことがあります。
顎偏位(がくへんい)がもたらす影響
上下の歯が咬み合うと歯が痛む
上下の歯を咬み合わせるためには下顎を動かす必要がありますが、顎位のバランスが崩れている場合は、下顎を動かす度に周辺筋肉や顎関節に痛みを感じてしまうケースも少なくありません。
また一定の力が長期に加わることで歯周病が悪化し、最終的に歯を失うこともあります。
そのため、顎偏位の改善が望まれています。
顎を動かすと顎関節から
音や痛みが生じる
顎関節症と症状は似ていますが、顎関節症の場合は関節周囲の組織になんらかの異常があった場合に生じるものです。
一方の顎偏位は顎の位置のバランスの崩れによるズレが原因であります。
顎の位置にズレが生じた場合も、顎を動かすと「カクカク」と音が聞こえたり、痛みが生じたりする場合も少なくありません。
顎偏位を矯正治療や外科治療で改善することができれば、これら症状も抑えられると考えられていますが、顎関節症であった場合はそれら治療を行ったとしても改善されるとは限らず、顎関節症の明確な治療法は確立されていません。
顎が曲がって見える
顎がズレているため、正面から見た顔貌も顎が曲がっているように見えます。
顎の位置がズレている場合は歯並びにも影響を及ぼし、上下の歯の中心にもズレが生じているケースも少なくありません。
幼少期の頃から顎偏位であった場合は、そのまま顎が成長してしまい、顎変形症となってしまう可能性が非常に高くなります。
そうならないためにも、顎の成長を促せるように適切な治療をお受けすることをおすすめいたします。
歯がしみる
顎偏位となっている場合、咬み合わせにもズレが生じているケースも多く、一部の歯に過度な負担がかかっている可能性もあります。
冷たい物や温かい物で歯がしみるなどの症状がある場合は、歯がすり減っていたり、ひびが割れていたりすることが原因となり、知覚過敏のような症状がでてしまう場合もあります。
知覚過敏の症状を和らげる治療なども検討されますが、あくまでも対処法となるため、顎偏位の改善が望まれる状態です。
肩こりや頭痛
上下の咬み合わせで全身のバランスが保たれていると考えられているほど、咬み合わせは全身にも深く関りがあります。
顎の位置がズレていると咬み合わせにもズレが生じていることがほとんどであり、周囲の筋肉のバランスにも影響を与えてしまうのです。
そのためバランスを保とうとカバーするように筋肉が過度に緊張してしまい、周囲の血管や神経が圧迫され、肩こりや頭痛へとつながっていきます。
長らく改善しない肩こりや頭痛があった場合、顎偏位が影響しているかもしれません。
顎偏位(がくへんい)を予防するためには
顎偏位は「咬合位」「顆頭位」「筋肉位」の3つのバランスが保たれることで、顎位が位置づけされます。
人間の顔は必ずしも左右対称に作られているわけではなく、わずかに異なる非対称であることが大半です。
そのため顎偏位も例外ではなく、左右非対称となっていることが通例であり、大きな影響が出てしまうか、影響なく「咬合位」「顆頭位」「筋肉位」3つのバランスが保たれているかの違いとなります。
そのため顎偏位は誰にでも起きる可能性のあるものであり、根本的な治療法は確立されていません。
しかし顎の位置は習慣的な癖になどにも左右されるものであり、以下の項目に注意しながら予防対策しましょう。
頬杖
習慣的に頬杖をついてしまうと顎に一方方向に力が加わり、ズレが生じてしまう場合もあります。
そのため、なるべく頬杖を行う癖を改善しましょう。
うつ伏せ寝
うつぶせ寝もまた顎に力が加わり、顎のズレを誘発する可能性があります。
うつ伏せで寝ることで安心感を得られたり、いびきを軽減出来たりしますが、顎に負担がかかる体勢であるため、できるだけ避けましょう。
バランス良く咬む
咬みやすい片方側だけで咬んでいたり、軟らかい物ばかりを食べていたりすると筋肉に偏りが生じ顎偏位になってしまう場合があります。
姿勢を良く保つ
姿勢の悪さが顎にも影響を与え、歪みとして現れることもあります。
正しい姿勢を保つことは見た目だけではなく、全身のバランスにもつながります。
筋肉の緊張をほぐす
筋肉の緊張は顎の歪みを引き起こすきっかけになりかねません。
特に口輪筋と呼ばれる表情を作る筋が緊張している場合、顎の位置にも影響を与えてしまう可能性があります。
口周りの筋肉のマッサージを行うことが効果的です。
よくある質問
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顎偏位の治療法はどのようなものがあるでしょうか?
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顎のズレの原因を把握し、歯列矯正や外科矯正などが検討されます。
ズレの原因によって治療法も異なるため、まずは精密検査が必要になります。
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顎偏位は治ることはありませんか?
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治療をせずにいても顎偏位が自然に治ることはまず難しいでしょう。
顎のズレにお悩みの場合は、まずはご相談ください。
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顎偏位は遺伝しますか?
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親子で顎の大きさや形状などが似るため、顎偏位となる条件が揃いやすく遺伝する可能性もあります。
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顎変形症と顎偏位の違いはなんですか?
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顎変形症の場合は顎の大きさや顎の形状の異常であり、顎偏位は顎の位置がズレている状態を指します。
顎偏位は誰にでも起こりうるものですが、どちらの場合であっても早期治療が望まれています。
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顎偏位であるのかどうか知りたいです。可能ですか?
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カウンセリング時にお悩みをお伺いし、必要に応じてレントゲン撮影など詳しい検査などを行うことで、顎偏位であるのか診断することができます。
著者 Writer
- 竹元 京人
- 世界舌側矯正歯科学会(WSLO)の発足メンバーであり初代大会長を務める。
アメリカ、ヨーロッパ、アジアなど世界各国で舌側矯正について講演、講習会を行うなど、舌側(裏側)矯正を最前線で牽引する第一人者。
【役職】
World Board of Lingual Orthodontists(WBLO前会長)
イタリアフェラーラ大学 客員教授
英国王立エジンバラ大学医学部 M-Ortho examiner, Fellow
【所属学会】
世界舌側矯正歯科学会(認定医、専門医、元会長、創設理事)
ヨーロッパ矯正歯科学会(EBO専門医)
日本矯正歯科学会(臨床指導医)
日本成人矯正歯科学会(臨床指導医、総合指導医)
日本舌側矯正歯科学会(認定医)
【経歴】
1979年 東京歯科大学卒業
1979年 東京医科歯科大学歯学部矯正科入局
1983年 竹元矯正歯科開業
1988年 イーライン矯正歯科開業
コラム
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